栃木県のなかでも、奥日光と呼ばれる静かなエリアにたたずむ温泉地、湯元温泉。
今回は温泉地としての湯元温泉の歴史と特徴、周辺観光スポットの情報を、おすすめの温泉宿4軒の魅力と併せて紹介していきます。
奥日光湯元温泉は歴史と乳白色のやさしい湯ざわりが魅力的
利根川水系の一級河川・湯川の源流である湯ノ湖の湖畔、北側の開けたエリアにある静かな温泉地が、奥日光湯元温泉です。奥日光湯元温泉は、いまからおよそ1,200年前に日光山輪王寺(にっこうざんりんのうじ)を建立した開祖・勝道上人が発見し、日光の奥座敷として親しまれてきました。
泉質・効能
奥日光湯元温泉は、以下の泉質、効能を得られる湯治場として発展してきました。
- 泉質
- 硫化水素型硫化硫黄泉
- 効能
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、リウマチ、慢性婦人病、高血圧症、動脈硬化症、慢性皮膚病、切り傷、打ち身、痔、冷え、病後回復期、疲労回復、健康増進
奥日光湯元温泉は、日本に3つのみ存在する「国民保養温泉地第一号」に選ばれたことでも知られる場所です。源泉の湯色はエメラルドグリーンですが、空気に触れ酸化することで白くなるため、湯船では柔らかな手触りの乳白色の温泉になります。
湧出量が豊富で、温泉街の各宿の他に無料で利用できる足湯・あんよの湯や、日光山輪王寺の別院、光徳温泉、中禅寺温泉にまで温泉を供給していることも、奥日光湯元温泉の特徴といえるでしょう。
奥日光のおすすめ観光スポット
奥日光湯元温泉の周辺には、栃木県を代表する観光地も集まっているため、日光・奥日光観光の拠点としても広く愛されています。
以下に、周辺のおすすめ観光スポットの具体例と魅力をまとめましたので、参考にしてください。
日光東照宮
- 国の重要文化財、国宝に指定されている
- 1999年にはユネスコの世界遺産にも登録
- 江戸幕府初代将軍・徳川家康を東昭大権現として祀っている
- 見ざる・聞かざる・言わざるの三猿の彫刻でも有名
二荒山(ふたらさん)神社
- 縁結びの御神木があることから、縁結びに強いご利益があることで知られる神社
- 小ぶりなお守りが、お土産として女性観光客から人気を集めている
華厳滝
- 高さ97mから大尻川の水が岸壁を一気に流れ落ちる、豪快な直下型の滝
- 那智の滝、袋田の滝と並び日本三名瀑のひとつに数えられる名勝
湯ノ湖
- 三ツ岳の噴火によってできた湖
- 湯元温泉の近くにあり、整備された湖岸では景色を見ながらの散策ができる他、5~9月には釣りも楽しめる
明智平ロープウェイ
- 中禅寺湖、華厳滝、男体山などを見下ろす壮大な景色や、連なる山々の紅葉を楽しめるロープウェイ
- 標高1,373m地点まで昇ることができる
戦場ヶ原
- 男体山の噴火により、川がせき止められてできた日光国立公園内の湿原
- かつて男体山、赤城山の神がこの地で争いをしたとの神話からこの名前で呼ばれ、季節により異なる風景を楽しめる
湯元板屋:源泉掛け流しの天然硫黄泉と岩魚料理がおすすめ
湯元温泉の歴史と特徴がわかったところで、ここからは湯元の温泉街からおすすめの温泉宿を4軒、それぞれの魅力と一緒に紹介していきます。
まず紹介するのは、「湯元板屋」です。湯元板屋は、およそ250年前、湯元温泉の開祖ゆかりの寺院・輪王寺より湯守(ゆもり)と定められて以来、源泉を代々守り続けてきた老舗の宿になります。
館内に備える男湯「男体の湯」、女湯「女峰の湯」の各大浴場では、それぞれ自家源泉から湧出した自慢の硫黄泉をかけ流しで提供しています。
また、温泉だけでなく、食事も板屋の魅力。野菜や山の幸など、日光が誇るおいしい旬の食材を、美しい料理としていただけます。とくに、春から夏にかけては岩魚の唐揚げ、秋から冬にかけてはキノコや湯葉を使った温かいお料理と、各季節の旬食材を使った逸品がおすすめです。
客室からは緑豊かな日光の自然を眺められますので、温泉と料理、景色のすべてから五感で奥日光の恵みを体感できるでしょう。
休暇村日光湯元:高原の温泉リゾートで楽しむ露天壺湯や冬ハイキング
続いて紹介するのは、全国37カ所に展開するホテルチェーンのひとつ「休暇村 日光湯元」。休暇村チェーンは、国立公園や国定公園内という自然豊かな場所にホテルを有するグループであり、日光湯元においても日光国立公園内に宿泊施設を持っています。
休暇村 日光湯元は、周囲を白樺、カラマツなどの林に囲まれた湯ノ湖の目の前にあります。高原リゾートと呼ぶにふさわしい、穏やかで美しい場所に建っているため、客室から奥日光の四季折々の景色をゆったり眺められるところが最大の魅力でしょう。
入浴施設の特徴
入浴施設は、30人を収容できる大きな浴槽のある内湯と露天風呂、そして貸し切り気分でひとり入浴ができる露天壺湯を完備しています。
木造の内湯では木と温泉の香りを感じながら、露天風呂ではお湯の流れる音や鳥の声、葉の擦れる音を聞き、星空を眺めながらの湯浴みを楽しめますよ。
休暇村日光湯元ではアクティビティも楽しめる
休暇村日光湯元に宿泊する際にぜひ挑戦してもらいたいのが、宿が提案する奥日光の自然を活用したアウトドアアクティビティです。
休暇村日光湯元では、おもに以下のアクティビティを楽しめます。
- 奥日光星空教室&観察会
- 星座の見つけ方、星にまつわる神話を学んだ後、スタッフの引率で標高1,500mからの星空観察に出かけるアクティビティ
- 森の時間
- 日光国立公園のビジタースタッフによる奥日光の自然、またその魅力について学べるアクティビティ
- 初めてのスノーシューハイク
- 休暇村スタッフから30分ほどレクチャーを受けた後、スノーシューを履いた状態で休暇村周辺での散歩、ハイキングを楽しむアクティビティ
ゆの森:森のリゾート旅館は全室客室露天風呂付でゆったり快適
湯元温泉おすすめの温泉宿、3軒目に紹介するのはリゾート旅館「ゆの森」です。人里から少し離れ、クマザサや針葉樹に囲まれた森の中に建つこぢんまりとした温泉宿で、目と耳、五感のすべてで奥日光の自然と四季を感じられ、共有スペースであるラウンジには暖炉や書籍が設置され、温かい雰囲気を楽しめます。
訪れる人が火や窓の外の木々を眺めたり、森の中、湖のほとりを散策するなどしてゆったりと快適に過ごせる―ゆの森は、そんな環境が整った森のリゾートなのです。
入浴施設・客室の特徴
入浴施設としては、全12の客室すべてに天然温泉の源泉かけ流しの露天風呂を完備しています。客室のデザインは5パターンありますが、いずれの部屋の露天風呂からも周囲の森を眺め入浴することができます。
また、全館において温泉排湯の熱を利用した温度調節が行われているため、冬でも快適です。完全バリアフリーの客室もあるため、どなたでも安心して宿泊と入浴を楽しめますよ。
地産地消の和会席が楽しめる
食事は、「日本和食サミット2019」で最高得点を獲得した料理長による渾身の和会席です。とちぎ和牛、日光ゆば、那珂川の鮎など地場産食材を中心に、地産地消の観点から選び抜かれた旬の食材を使った料理を、おすすめのお酒とともにいただけます。
奥日光高原ホテル:加水なしの高純度の温泉で体の隅々までリフレッシュ
湯元温泉のおすすめ温泉宿、最後の1軒には「奥日光高原ホテル」を紹介します。
奥日光高原ホテル最大の特徴は、入浴できる温泉の質にあります。湧出温度が49.3~78.9度と高温な日光湯元温泉では、入浴に適した温度にするため水またはお湯を加えてから、浴槽に注ぐのが一般的です。しかし、奥日光高原ホテルでは、湯温調節のための加水を一切行っていません。
熱交換システムを利用して源泉の温度を下げ、適温にして浴槽に注ぎ込んでいるため、加水・加温一切なしの源泉そのものに浸かることができるのです。
お風呂の種類・概要
館内の入浴施設には、男女それぞれに露天風呂を併設した大浴場と中浴場を1つずつ完備しています。
- 大浴場
- 男女それぞれ45名まで収容できる「高原の湯」を、1つずつ備える
- 中浴場
- 各20名まで収容可能な男湯「男体湯」、女湯「女峰湯」を1つずつ備える
内湯の大浴場・中浴場からは、湯けむりのなか窓の外の緑を眺めながらの入浴を、露天風呂では解放感と外の爽やかな空気を感じながらの入浴を楽しめます。
また、奥日光高原ホテルのお風呂は宿泊客はもちろん、入浴だけの利用も可能です。日帰りでの旅行やドライブのついでにも立ち寄れるので、ぜひ利用しましょう。
地産地消の食材を楽しめる食事もおすすめ
夕食には、とちぎ霜降高原牛など日光の地場産食品を使った和洋折衷のオリジナル会席料理を、朝食には和定食、またはバイキングスタイルでいただけます。
会席料理の内容は宿泊プランにより異なりますので、コース内容をしっかり確認したうえで予約してくださいね。
おわりに:リゾート地、日光観光の拠点として、湯元温泉はとっても魅力的!
日光の奥座敷、湯元温泉は湖畔と森のなかに佇む人気の温泉リゾートです。静かな環境と白濁した温泉だけでなく、栃木県を代表する観光地へのアクセスの良さも兼ね備えているため、日本全国から多くの観光客が訪れています。また景色や歴史を楽しむスポットだけでなく、自然そのものを楽しむアクティビティや、高原だからこそ得られる山の幸も豊富です。日光の自然の恵みと美しさ、そして観光を満喫したいなら、ぜひ訪れてみましょう。
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