楽しく体を動かせるアクティビティに、登山がありますよね。しかし過酷なイメージのため、登山挑戦にハードルの高さを感じている人も多いはず。
そこで今回は、登山より手軽に山を楽しめるトレッキングに着目。登山との違いや必要な準備物、コースの選び方や楽しみ方まで、トレッキングの魅力を紹介します。
トレッキングと登山の違いは?準備はどうする?
トレッキングは「山を歩くこと」、そして登山は「頂上に着くこと」を目的に山へ入ることを指す言葉です。
トレッキングでは登山のように頂上に向かって歩く場合もあれば、麓に近い平坦な道を数㎞歩くだけ、というケースもあります。
登山に比べて簡単な装備で、手軽に楽しめるのがトレッキングの大きな魅力なのです。
トレッキングに挑戦するにあたり、必要なアイテムとしては以下が挙げられます。
トレッキングに必要なもの
- 必ず用意してほしいもの
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- 柔らかくて歩きやすい、登山に適したトレッキングシューズ
- レインウェアやウインドブレーカーなど、防水性のあるウェア
- 15~30Lくらいの容量が入る、バックパックかナップザック
- 少しずつ買い揃えてほしいもの
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- 吸水性、速乾性に優れた登山用の長袖アンダーウェア
- 日焼け防止ができる、登山やアウトドア用の帽子
- 登山用のグローブと杖
初期費用の確保が難しい場合は、まず上記のうち「必ず用意してほしい」3品のみ買い揃えましょう。あとの品物は必要に応じ、徐々に買い揃えていってもOKです。
山だけじゃない!花や動物などトレッキングの魅力
山は標高や成り立ち方、その山がどんな地域にあるかどうかなどにより、まったく異なる生態系や景色を私たちに見せてくれます。
トレッキングで出会える美しい風景や素晴らしい体験としては以下が挙げられるでしょう。
- 季節によって色、匂いを変える木々や草花
- 小川や滝の流れる音、風に揺れる木の葉のささやきや摂りの声
- 街中では見ることのできない、特徴的な動植物
- 広々とした草原や笹原、天然のお花畑
- 湿った土壌に発達した湿原と、湿原でしか咲かない花
- 透き通った水が流れる沢、コバルトブルーの水を湛える池や湖
- 夏には青々とした、秋には紅葉で赤や黄色に色づいた山々
- 麓の村や町にある、美しい棚田の風景
いずれも、普段市街地で暮らしているだけでは出会えない、または気づくことのできないものばかりです。
初心者向けトレッキングコースの選び方
全国各地の山には、さまざまなトレッキングコースが設定されています。
以下に、これらのなかから初心者に適したコースを選ぶためのポイントを紹介していきますので、あなたのレベルに合った安全なコース選びにお役立てください。
- 初心者に適したトレッキングコースの条件
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- 体力の消耗を抑えられる、アップダウンの少ないコース
- 地図上にある危険個所を通らずに済む、事故リスクの少ないコース
- その山の見どころ、絶景スポットに向けて歩けるコース
- 体力的に無理のない範囲で楽しめる、ロープウェイのあるコース
コース選びを誤ると、行程が遅れたりケガをするリスクが非常に高くなります。
初心者のうちは無理をせず、上記4つの条件を満たすコースで体力をつけ、トレッキング経験を積んで、慣れてきたら距離やアップダウンを増やしていきましょう。
トレッキングは季節によって楽しみや注意点が変わる!
トレッキングは、自然に分け入って楽しむアクティビティです。このため、そのリスクや楽しみ方は季節や自然条件により、かなり左右されます。
以下からは、季節ごとの山の特徴やトレッキングを楽しむうえでのポイントを理解していきましょう。
- 3~5月の春
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- 花が咲き始め、動物の繁殖も始まる生命の息吹溢れる季節
- 麓に近い低山でも、春の花や動植物との出会いを楽しめる
- 朝晩は冷えるが、晴れた日中は暖かくさわやかな陽気でトレッキングに最適
- 高気圧と低気圧が定期的に入れ替わるため、3~4日周期で天気が崩れがち
- 標高2,000mを超える高所では雪がのこることもあるため、場合によっては雪山の装備が必要になることも
- 6~8月の夏
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- 新緑の色が深みを増し、レンゲツツジやシャクナゲなどが楽しめる時期
- 梅雨に入ると雨の日が多くなり、滑落が起こりやすくなるためトレッキングには不向き
- 気温がかなり高くなってくるが、雨に濡れると体温を奪われ、低体温症になるリスクあり
- 梅雨が明けた後は夏山となり、登山やトレッキングに最も適したシーズンとなる>
- 天気も安定しやすくなるため、高い標高のトレッキング挑戦に適した時期
- 9~11月の秋
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- 木々の葉が赤や黄色に色づき、山が最も鮮やかになる時期
- 9月下旬ごろから気温が下がり、天気も安定して山に入りやすくなってくる
- ただし、台風や秋雨前線の影響で天気は変わりやすく、崩れやすい
- 雨が続いた後は、山道が滑りやすく危険な状態になっていることも
- 山によっては、10~11月には雪が積もることがあるため装備に注意が必要
- 12~2月の冬
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- 雪が積もり、標高の高い山は過酷な環境になるが、晴天の日が多くなる
- 十分な積雪のある山では、スノーシューを履いたトレッキングも楽しめる
- 標高が低く降雪量の少ない山では、秋と変わらない穏やかなトレッキングも可能
- ただし、1月中旬以降は全国的に雪が積もりやすくなるため要注意
- 雪山には、事故を防ぐためか必ず雪山登山の経験者と一緒に入山すること
季節により、山には異なる魅力があります。まずは春から夏にかけてのハイシーズンから挑戦をはじめ、いろいろな季節のトレッキングを楽しむと良いでしょう。
イベントや講習会も!トレッキングツアーのメリット
トレッキングに挑戦するにあたり、以下のような不安のある人は、まずトレッキングツアーに参加してみましょう。
- トレッキングツアーに向いている人の特徴
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- トレッキングに挑戦したいが、体力に自信がなくて不安
- 登山経験者と一緒に行くには、ついていける気がしない
- 平坦な道でのトレッキングはできるので、より難しいコースに挑戦したい
- もっとスキルアップして、岩場を含むトレッキングや登山をしたい
各地の山では、山を管理する団体やツアー会社などが企画したさまざまなトレッキングツアーがあります。
例えば、トレッキング初心者に向け靴の履き方や山での歩き方など、基本中の基本から教えてくれる初心者向けツアー。
スキルアップやステップアップのため、より高いトレッキングや登山の技術を学ぶための講習会ツアーなども存在しています。
自分の体力や希望に合うものを探し、参加を検討してみてくださいね。
おわりに:初心者のうちは、自分の体力・筋力にあったトレッキングコースを選ぼう
登山より軽装備で、気軽山を楽しめるトレッキングは、体力に自信がない人やシニア・プレシニアの人にもおすすめです。最低限シューズとウェア、バックパックのみ揃えれば、とりあえず始めることができます。ただ、いくら気軽にできると言っても、コース設定を誤るとケガや事故に巻き込まれるリスクはあります。本記事を参考に、初心者のうちは高低差の少ない体力的に無理のないコースを選び、雪のない暖かい時期の山に入ってくださいね。
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