一般的に健康に良いとされる有酸素運動ですが、「とにかくやればやるほど体に良い」というものでもありません。
今回は、毎日続けて有酸素運動を行うことの危険性やデメリットを、適切な運動負荷と頻度とあわせ理解していきましょう。
有酸素運動を毎日しちゃいけないって本当?
有酸素運動は、たくさん酸素を取り込みながら、長時間続けられる程度の負荷の運動です。体に取り込まれた酸素は、ホルモンや酵素と一緒に体内に蓄積された糖や脂肪を分解し、運動エネルギーに変え消費を促します。
有酸素運動は長く続ければ続けるほど、糖や脂肪の燃焼・消費効果が高まります。このため、適切な負荷・時間で行うならば、毎日有酸素運動をしてもかまわないでしょう。
有酸素運動の強度として適しているのは、本人が「少しきついけど、笑顔で続けられる」中等度のもの。
運動強度を現す数値であるMETsでは3.0~6.5程度、心拍数では1分間に130~140回くらいになる運動内容が最適です。
- 安静時を1としたとき
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- 歩行による負荷は3.0METs
- 早歩きによる負荷は4.0METs
- エアロビクスによる負荷は6.5METs
これ以上のMETs、または心拍量の運動は高強度の運動となり、筋トレに代表されるような無酸素運動に該当してしまいます。
高強度の無酸素運動で体にかかった負担の回復には、有酸素運動に比べ時間がかかります。
このため、高強度の運動を毎日行うと、体の回復が追い付かず脂肪燃焼の効率が悪くなってしまう可能性があるのです。
有酸素運動を毎日することのメリットとデメリットは?
ここからはランニングを例に、有酸素運動を毎日行うことのメリット・デメリットを比較していきましょう。
- ランニングを毎日することのメリット
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- 運動による脂肪消費が毎日行われるので、太りにくくなる
- 毎日のランニングで鍛えられ持久力、心肺機能が向上する
- 幸せを感じさせてくれるホルモンが出て、ストレスが軽減され幸福感が得られる
- ランニングを毎日することのデメリット
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- 完全に回復されないまま、運動による疲労が体に蓄積されていく
- 膝や足腰に負担がかかり、人によってはケガをする可能性が出てくる
- 大量の排ガスや酸素の吸入により、細胞を老化させる活性酸素が体内に増える
ランニングを毎日続けるメリットとしては、継続的なエネルギー消費や鍛錬が、デメリットとしては体への過負荷や疲労蓄積のおそれが挙げられますね。
個人差もありますが、ランニングによる足腰や膝、全身の筋肉への疲労回復には平均で2~3日かかるといわれています。
疲労から回復する前に再び筋肉を酷使し、無理に運動を続けてしまうと「オーバートレーニング」状態となり、慢性的な疲労から体調を崩す可能性も出てきます。
有酸素運動による健康効果を十分に得るには、運動の後にしっかり休んで筋肉を疲労した状態から回復させるのが望ましいでしょう。
きつい運動を無理してでも毎日続けるくらいなら、インターバルとして休養期間をはさみ、1日置きに有酸素運動をする方が効果を得やすいと、理解しておいてください。
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おわりに:有酸素運動は無理して毎日しなくてもOK!1日置きで十分
有酸素運動は、本人が「少しきついけど無理なく続けられる」と感じる程度、中等度の運動強度で行うのが適切といわれています。中等度を超え高強度の運動になってしまうと、無酸素運動となり、脂肪燃焼が効率的に行われなくなってしまうのです。
また、無理して毎日続けていると、体が慢性的な疲労状態になり体調を崩してしまいかねません。有酸素運動は余裕を持って行える内容で、1日置きに続ければ十分と理解しておきましょう。
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